技術継承プログラム 作品制作受託4社の個性を追求した
独創的な作品の制作を通じたOJTによる実践的人材育成

株式会社レスプリ

キラキラきらり☆

自分に自信が持てず、いつもひとりぼっちで過ごしていた小学生のきらり。絵を描くことが大好きで、スケッチブックだけが心を開ける唯一の友達だった。
ある日、目を覚ますと不思議な少女が現れて、閉じこもっていたきらりを強引に外の世界へ連れ出してしまう。はじめての景色、はじめての経験、カラフルなはじめてを繰り返すうちにきらりの心にも変化が訪れて……。
絵を描くことで成長していく少女の小さな物語。

スタッフ

  • 監督・絵コンテ月見里 智弘
  • 音楽三澤 康広
  • 企画・原案レスプリ / アンジュパッセ
  • 音響効果小林 亜依里(ちゅらサウンド)
  • 脚本吉月 生
  • 主題歌「キラキラきらり☆」
  • キャラクター原案矢立きょう
  • きらり(CV. 芹澤 優)
  • 作画監督大和田 彩乃
  • 作詞吉月 生
  • 演出月見里 智弘
    設楽 直美
  • 作曲俊龍
  • 原画高津 智子
    設楽 直美
    岡田 ありさ
    岡田 えりか
    大和田 彩乃
  • 編曲よる。
  • 第二原画向井 雅俊
  • プロデューサー清水 香梨子
  • 色彩設計のぼりはるこ
  • 制作デスク市島 啓太朗
  • 美術監督根本 洋行
  • ロゴ/プロップデザイン/設定制作荒川 美智代
  • 撮影監督久保田 淳
  • 制作進行師水 大助
  • 音響監督藤田 亜紀子
  • 音響制作INSPIONエッジ

キャスト(声優)

  • きらり芹澤 優
  • 友達山下 七海
  • 友達厚木 那奈美
  • きらりの母酒井 玲
  • 友達桜木 なる
  • 女の子伊吹 誓乃

メインキャラ

  • きらり

  • きらり表情集

  • きらり表情集2

  • 少女

  • 少女2

  • 少女表情集

  • 猫たち

本育成事業でのアニメーション制作過程で
若手アニメーターが描いた原画、
および場面写や美術設定をWEB上にて、
特別展示いたします。

場面写

作画素材

  • CUT043

  • CUT045

  • CUT046

  • CUT064

  • CUT071

  • CUT120

  • CUT143

美術設定

  • きらりの家(外観)

  • きらりの部屋(朝)

  • きらりの部屋(夜)

  • きらりの部屋(夜)

  • 街並み

  • 銀河堂

  • 天文台公園

監督からの一言(育成&作品について)

■月見里智弘/監督・絵コンテ
「世界は広いんだから」
劇中で殻に閉じ困りがちの主人公のきらりを成長へと導く相棒のステラの言葉の一つです。

我々もこのプロジェクトを通じて未経験の手法やチームワークに挑戦し、大いに成長できたと思います。 

ユニークなルックのキャラデザイン、3DCG(blender)を利用した原図作成や背景動画、 鉛筆タッチや水彩の着彩テイストを再現した背景美術や撮影処理など、これまで業務の中では試せなかった座組や検証をさせていただきました。 スタッフ全員で作り上げた温かく柔らかい雰囲気を画面から感じてもらえたら幸いです。
今後の作品では、今回培った経験と技術をしっかり継承して制作しております。今後もインプットと挑戦は絶やさず常に成長していきたいと思います。

プロデューサーからの一言(育成&作品について)

■清水香梨子/プロデューサー
本作に出てくる不思議な少女は、作品の中で自分の名を名乗ることも、呼ばれることもありません。
小説家の吉月さんが、脚本時に制作の便宜上つけてくれた名前が「ステラ」。「星の光」という意味らしいです。
主人公のきらりにとってステラの存在が光であったように、関わってくださったスタッフの皆様や観てくださる方々に、 この作品が小さな輝きとして心のどこかに残れば嬉しく思います。

今回 アニメ業界の人材育成事業であることを意識して、「絵を描く」ことをモチーフの軸に、また「小さな成長劇」であることを作品のテーマにしました。
絵を描くことから始まる奇跡、自分たちが秘めている創造する力による無限大の可能性、キラキラした憧れへの日々の一歩一歩の積み重ね、 人生が少しだけ色づく瞬間のときめき……、作品制作を通じて、そういった尊い感覚がスタッフ陣の中でも共有できていたら良いなと思っています。

育成指導者からの一言(育成&作品について)

■大和田彩乃/作画監督
育成をメインとして設計された本プロジェクトを以てしても、制作に追われる中で常に育成を軸にすることの難しさを感じ、 延いては一般のアニメ制作現場での育成の困難さを改めて実感しました。
もちろん指導担当者自身や自社の体制の拙さを見つめなおす機会にもなりました。

今回は、セルアニメのアニメーターや演出家に限らず、アニメーション作家やイラストレーター、 デザイナーといった人材を抱える自社の体勢を生かし作品作りの連携を僅かながら垣間見ることが出来たのではないかと思います。
各分野の若手の方たちには、小説やイラスト・漫画という作品の世界をさらに広げ、 動いて喋る生きたアニメーションにするという絵仕事の幅広さや面白さを感じて探求心を持ち続けてもらえたらと思います。

■向井雅俊/指導アニメーター
自分を変えたいと願うも、その一歩が踏み出せない一人の少女が不思議な少女との出会いをきっかけに前に進み、成長していく。 本作はそういった変化や成長をテーマにしたお話だと自分は解釈して進めていました。
育成指導を念頭に置き、新人アニメーターにも積極的にカットの担当をお願いしており作品の制作を通して新人の成長にも繋がったのではないかと思います。 また指導側としても指導を通じて学べることが沢山あり、良い変化を得られたと実感しています。
新人にとっても自分達にとっても思い出に残るようなそして携わった事を誇れるような作品になれば良いなと思っています。

■矢立きょう/キャラクター原案
「キラキラきらり☆」ではキャラクターデザインとエンディングのディレクションをさせていただきました。
最初に内気なきらりと天真爛漫なステラの一枚のイメージから始まり、 脚本や設定が出来上がっていくにつれて漠然としていたキャラクターの輪郭がはっきりしていき、 きらりの世界が出来上がっていく感覚がとても面白かったです。
作品冒頭できらりの表情は暗く節目がちだけどEDでのきらりの表情は明るくなっています。
本編でのステラとの交流で成長したきらりの前向きなその後のイメージがしっかり伝わるEDになるように表情や色彩に気をつけました。
人材育成に関しては指導というより普段交流の少ないスタッフそれぞれの特性を知るいい機会になりました。そして普段使わない技法に触れた事、 セルアニメの構造の理解を深めることができた事で今後のアニメーション制作の可能性が広がったと思います。とても楽しいプロジェクトでした。

育成対象者からの一言(育成&作品について)

■荒川美智代/ロゴ/プロップデザイン/設定制作
「キラキラきらり☆」は憧れや夢みる気持ちに一歩踏み出せずにいる自分を私自身が背中を押すストーリーで、 大人は誰しも過去に同じような気持ちを持っていたことを思い出し、 子供は夢見る気持ちや前に踏み出す勇気を持てる作品になっているかと思います。

主人公のきらりが想い描いたような道を私たちも通っており、 感情移入させながらもいろんな分野のスタッフと制作イメージや技術面でも意見交換しながら作り上げた作品です。

私自身はアニメーターではなくデザインするのが仕事なので、基本ラフ案出しから入稿まで1人で行いますが、今回アニメ制作に関わり、 ひとつの作品を皆で作り上げる作業は新鮮な体験でもあり、色んな場面で今後に活かすきっかけになりました。

弊社(レスプリ)らしい作品になったと思います。「キラキラきらり☆」がいろんな人の目に触れ、少し元気になったり、少しやさしくなれたり、 また自分を見つめ直すきかっけになる作品となれば嬉しく思います。

■市島啓太朗/制作デスク
今回の事業を通して状況を把握し続けること重要性を改めて認識しました。
私の場合、育成プランが「最新状況確認を毎日行いスケジュール遅延のリスクを事前に察知できるよう管理する」「ツールを使用し管理することで、 自分のみでなくチーム一同で状況把握しやすい進行管理体制を築く」のため、 とにかく一つ状況が変化するたびにその記録とチームの皆さんへの共有を第一として行動しました。
  「キラキラきらり☆」は一歩を踏み出せない女の子がささいなきっかけから自分を信じられるようになるまでの物語です。
皆さんのおかげで大きなトラブルもなく、いい作品に仕上がるのではと思っております。この場を借りて御礼申し上げます。

■師水大助/制作進行
本作に育成対象者として参加し一番感じたことは、アニメ制作の分業化がはっきりしていることです。
そのためとても効率よく制作が進んでいく一方で同時に別々の作業が進みますが、後戻りがないよう一つ一つの工程を見ていかなければなりません。
小さなミスが重なることや、大きな修正等はスケジュールの遅れだけではなく各担当者の無駄な作業が増えるためできるだけなくさないといけません。
アニメ制作に携わる人数の多さを改めて実感し、作業工程の理解、 各スペシャリストの作業に携わる時の視点を知ることができ参加してよかったと思います。

■岡田ありさ/原画
アニメーターとして商業アニメに携わったことがなかったので、 今、新人としてこの研修の機会を得たことは自分のキャリアをスタートさせる上で大きな収穫になりました。 最初は仕事や工程がぼんやりとしか分かっておらず不安でしたが、作画を通して一から現場の流れを知ることができて勉強になりました。
実作業では、先輩からの指導や講義から今の自分に足りないことや今後の目標が見えてきました。 うまく線画引けなかったり、手持ちカットをやりきれなかったりした時、相談に乗ってもらい画力のつけかたや効率の良い作業方など教えていただきました。
また、普段は見ることのできないアフレコやラッシュの現場をオンライン見学する貴重な機会をいただき、理解が深まりましたしとても楽しかったです。 オープン講座を通しては自分が分かっているようであまり分かっていなかった部分、 特に制作周りや作画後の工程についてなどアニメーター以外の仕事も知ることができました。
この短期間の中で相談やお忙しい中サポートしていただいたチームに感謝しています。今後も教えていただいたことを励みに精進していきたいと思います。

■岡田えりか/原画
今回参加した『キラキラきらり☆』はキラキラファンタジーな世界観で、星やふわふわした衣装を描くのが童心に戻るようで楽しかったです。
たくさんでてくるネコ達もかわいくて気に入ってます。
海街が舞台の作品なのですが、横浜にある会社で制作しており、 朝、作品に登場するような街並みを眺めながら通勤してから作業を始める環境だったので、とても印象に残る作品になりました。

今回、自分は原画として参加させていただきました。
本格的なセルアニメ作品に携わること自体初めての経験で、画力や技術的な面で心配なところもありましたが、 自分の描いた絵ににリテイクや作監が入ることで、絵の分かりやすさやキャラクターの表情が驚くほど変わるのを経験できて大変勉強になりました!
また、改めて絵を描く楽しさや大人数で一つの作品を作り上げる大変さを感じました。